一人ぼっちの私を常に気に掛けてくれた幼稚園の園長先生

人見知りで他の子供とのコミュニケーションの取り方も分からず、幼稚園内でも一人ぼっちで孤立し易かった私の面倒を良く見てくれ、救ってくれたのが園長先生でした。独りで園内の隅に縮こまり、周りで楽しく遊ぶ園児を横目にボーッとしている私に良く声を掛けてくれ、話相手になってくれたり、興味のありそうな玩具を持ってきてくれたりと、様々な工夫で私を楽しませてくれました。また必要とあらばすぐに自宅の母に連絡を取り、待たせる事無く迎えに来てくれる様取りはからってくれました。一番楽しかったのは園外に出て近所の緑地公園へと遊びに出掛けた時です。周囲の園児と和気あいあいと過ごすというよりかは物言わぬ自然を思う存分親しみ、また採集した昆虫やドングリ等を園長先生に見せに行く時が一番充実感を覚えた瞬間でした。父の転勤の関係もあり、残念ながらその幼稚園には1年と居る事は出来なかったのですが、親身な園長先生の事は深く思い出に残っています。何十年も経ったある年、ドライブ旅行で近くを通りがかった際、ふと幼稚園がどうなっているのか気になり、久しぶりに訪れてみたのですが、さすがに幼稚園も建物も消失しており、残されていたのは更地と公園のみ。一抹の寂しさを感じたものでした。