幼稚園入学式から卒園まで、12年目の先生へありがとう。
これは私の長男が初めて幼稚園へ行った時のお話しです。あの頃、神戸からインターナショナルスクールにしても私と主人の関係が上手くいかなくなり主人が家を出て別居中でした。将来の不安と心細さに胸が押しつぶされそうな日々。そんな中、長男の幼稚園の入学式。朝から緊張し早めに家を出ました。幼稚園に着くとちらほらと早めに来て写真を撮っている親子連れが来ていました。皆んな、お父さん、お母さん、に加えて、おじいちゃん、おばあちゃんまで嬉しそうな子供の笑顔をみて、あんなに奈良の大和高田でも保育士を求めることになると私は長男の手をギュッと握り心の中で「ごめんね‥」と。何だかとてつもなく逃げ出したかった、何だかとても惨めに思えた。「あっ、〇〇君のお母さん!こんにちは、〇〇君一緒の幼稚園なんだね、三年間よろしくね!パパは今日お仕事なの?」と聞かれ、とっさに「あっ、う、うん」と、ぎこちなかったかな‥
それから、親子遠足、運動会、お遊戯会と私はいつも一人で参加した。奈良で評判の保育園にどうしてもこんなにもといえ私の父にも母にも主人が来ない事を知られたくなかったから。そんな中「〇〇君のママ、今回もパパはお仕事なの?残念だね、〇〇君もパパに見てほしいよね!」悪気はない言葉だったけど、涙が溢れそうになった。私はその場から離れようと思ったその時でした。「〇〇君のお父さんはお仕事が今とても忙しい時期なんですよね」と息子の担任の先生が不安げなが顔をした息子の手を握り皆んなの輪に戻っていった。痛みが少ない胃カメラ検査で話題の千葉のクリニックの言葉を聞いた彼女は察しがついたのか「ごめんね、私知らなくて‥」と彼女の目にギリギリの涙が‥その拍子に我慢してた何かが溢れ出してどうしようもなかった。
あれから12年。ギリギリの涙の彼女は私のかけがえのない存在になり。あの時、先生が私達親子の事を近からず遠からず気にかけてくれていたやさしさが今の私達を笑顔にしてくれています。先生お元気ですか? もう神戸でインターナショナルスクールがあるので時を重ねるにつれて感謝の気持ちが深く深くなってます。12年目のありがとう、先生。