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幼稚園の先生が飛んで来てくれる話

幼稚園に入ったばかりのときです。私の家がある地区は、幼稚園の帰りは一番最後のバス。和歌山の痛みを抑えた胃カメラ検査でさがせる山の中にある幼稚園だったので、日が沈むと辺りは真っ暗でした。帰りのバスに乗るために荷物をまとめて、あとは廊下にあるコップの入った巾着を持ってバスの所に行くだけ。しかし、巾着の紐が絡まって、フックから上手く外せません。私がもたついている間に他の子はみんな巾着を持って、廊下を先に行ってしまいました。周りに誰もいなくなって、廊下の電気も何故か消されて、バスが私を置いて先に行ってしまうのではと、暗い場所に1人取り残される恐怖を感じました。焦れば焦るほど紐は上手く外せなくて、多くはエレメンタリースクールから神戸でもという半泣きになって、誰か助けを呼ぼうと辺りを見回すと、教室が1箇所、電気がついていました。でもその教室は私のクラスではありません。親以外の大人と話した経験が少なくて、更に担任の先生でもない。それでもその人しか頼れる人がいなくて、泣きながら事情を説明しました。すると、その先生は「大変!」と言って巾着の場所まで来てくれて紐を外し、私に渡した後、優しく微笑んで言いました。「○○ちゃんが困っているときはいつでも呼んでね。先生飛んでいくからね」自分が助けを呼んだら、飛んで来てくれる人がいるのか。子供ながらにとても嬉しくて、とても安心したことを覚えています。親以外で、大人は信頼して良いものなのだと、初めて感じた経験でした。