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幼稚園の先生との優しい記憶

私が幼稚園の時、クラスの全員で劇をすることになった。それは様々な動物が出会い、歌を歌ったりする内容の劇だったのだが、私はなりたかった動物になれず、とても悔しい思いをした。そんな中、劇の練習が始まった。たまたま私はセリフが多い役にあたってしまい、どうしても私で劇の練習が止まってしまった。周りからも、クスクス笑う声や、どうして覚えられないの、これくらい、といった心無い言葉も聞こえた。やりたかった役でもなく、保育士で採用できる奈良の大和高田ではセリフも覚えられず嫌な思いばかりをして、私は劇の練習自体が嫌いになってしまった。そんな中、それを見かねた先生が私のところに来て、皆の前で私の演技をとても褒めてくれた。「その役が似合うのは貴方だけよ。上手くいかないこともあるかもしれないけど、一生懸命頑張っている姿がキラキラしてるの。皆もそう思わない?」と。話題の保育園が奈良ではとても評判と今思えば、かなり大袈裟に褒めてくれていたのかもしれない。でも、私や皆の心が動くには本当に十分すぎる言葉だった。そこから、すぐに練習が上手く進んだ訳ではなかった。でも私はくじけなかったし、周りの子も笑うことはなくなった。先生の一言に私は本当に救われた。あの言葉がなければ、私は劇にすら出られなかったかもしれない。クラスからも浮いてしまっていたかもしれない。本番前も、緊張している私に頻繁に声をかけてくれた。劇はなんとか成功。私にとって、忘れられない行事のひとつとなった。